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堀米 庸三

河北町の偉人
ふりがな

ほりごめ ようぞう

​解 説

大正 2 年(1913)、谷地町沢畑(現河北町谷地)に生まれました。

氏は第二次世界大戦後の中世西洋史研究をリードした有名な歴史学者です。10 歳の時、両親と共に東京に出ますが、毎年夏休みには祖父のいる実家に帰省しました。それは昭和 8 年(1930)の祖父の没後も続きます。


『中世国家の構造』は、西洋中世世界の普遍的原理を追求するのに各国家の内部事情に注目して、封建制社会の構造的把握に迫ったもので、すぐれて論理的にドイツを中心とした西洋中世史研究に確固たる地位を築いたとされます。一方、その知的誠実さが教会史・美術史・思想史・法制史、社会経済史など学問の領域を広め、優れた文明批評にも独自の境地を開きました。北海道大学、東京大学時代を通して、その門下から西洋史研究の俊秀を数多く育てました。


東大紛争の中で、文学部長に推され「収拾ではなく解決を」として、授業再会に至る苦労は知られています。

一高在学中は、オールラウンドの選手として陸上競技部に属し、他に野球、登山、スキーは「堀米スキー教室」として有名なほどのスポーツマンでもありました。生家が現在の『河北町紅花資料館』です。

(写真提供:山形県立図書館)

<年表>
  • 大正2年 谷地町沢畑(現河北町谷地)に生まれる。

  • 大正8年 谷地町立西部尋常小学校入学

  • 大正12年 両親と上京

  • 昭和6年 第一高等学校文科2類入学

  • 昭和9年 東京帝国大学文学部西洋史学科入学

  • 昭和16年 神戸商科大学予科講師

  • 昭和22年 北海道帝国大学助教授

  • 昭和29年 東北大学文学部教授併任

  • 昭和31年 東京大学文学部教授

  • 昭和33~34年 ハーバード大学留学他

  • 昭和44年 東京大学文学部長に就任

  • 昭和48年 東京大学教授退官、名誉教授

  • 昭和50年 没


<主な著作物等>
  • 中世国家の構造(出版:日本評論社 昭和24年)

  • 西洋中世世界の崩壊 (出版:岩波書店 昭和33年)

  • 正統と異端~ヨーロッパ精神の底流~(出版:中央公論社 昭和39年)

  • 歴史を見る眼(出版:日本放送協会 昭和39年)

  • 歴史と人間(出版:日本放送協会 昭和40年)

  • 歴史の意味(出版:中央公論社 昭和45年)

  • 歴史家のひとり旅(出版:新潮社 昭和46年)

  • ヨーロッパ歴史紀行(出版:潮出版社 昭和48年)

  • 歴史と現在(出版:中央公論社 昭和50年)

  • 紀行と随想(出版:近藤出版社 昭和51年)

  • わが心の歴史(出版:新潮社 昭和51年)

  • 中世の光と影(出版:講談社 昭和63年)

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